2024年11月4日月曜日

中部地区大会2024

ということで、到達するまで苦戦しましたが90分遅れで会場に着き、中部地区大会に初参加してきました。運が悪かった方だと3時間以上遅れてしまった方もいたそうで、参加者の皆さま本当にお疲れさまでした。

試走会は、自分のマシンは当日の朝の調整の手応えとだいたい同じような内容だったのですが、同チームのHさんがかなり速くなっていそうだったので、これはまずいと判断。
試走会後、熱田神宮でお参りをしたあと、カプセルホテルのカプセル内で新しいパラメータを入力しておきました。

当日はそのパラメータをどうにか発動することができ、結果としては強豪集う中部地区大会ですが、なんとか3位に入賞することができました。また、中部地区勢以外の上位者に送られる特別賞、第二の勇者賞をいただきました。



ただ、開発としては結構ギリギリで、1走目の探索走行でコケてしまったり、今回の迷路では見られませんでしたが吸引中の走行は怪しいところもあったりするので、安定性の向上が次回の学生大会までの課題であるように思います。

また、第一の勇者さんや魔王さまとはまだまだ大きな開きがあるので、第二の勇者としてここからどう食らいついていくか、知恵と時間を振り絞って頑張っていきたいと思います。

最後に、運営をしてくださった名古屋工学院専門学校の皆さまありがとうございました。
勇者賞の景品は現地の美味しいお菓子ということで、私はういろうとかえるまんじゅうのセットをいただきました。今日のお昼に一ついただきましたが非常に美味しいです!勇者賞を設定してくださったNさん、ありがとうございます。

2024年11月2日土曜日

徹夜からの新幹線ストップ

@品川駅

今日は中部地区大会の試走会ですが、例のごとくマウスの開発は色々あって結局今朝の9時までやったものの、まだわかってないところもありそうという印象。

で、向かうのだが、新幹線が止まっている。寝落ちして悪い夢でも見てるのかなと思うも、そうでもないっぽい。幸い自分の取っているのぞみ69号は運休せずに遅れで済みそう。
祝日がある(?)影響かなかなか人が多いですね。





BlueSkyという機体を持っていながら大雨にやられてるのがなかなか。中部地区はやはり一筋縄では行きませんね(違う)。到達できるかな。

2024年10月22日火曜日

エントリーからのPC文鎮化と見せかけてからの復活

中部地区大会、といまさっき学生大会にエントリーしました。中部は行くか少し迷いましたが、大会は出たほうが良いだろうという判断で。

で、調整を進めようと思ったところ、先ほどPCが起動しなくなりました。

やっば。来週は卒論の中間発表もあるんですが。

起動しないというか、よく見ると勝手に電源ランプが5秒位ついてしばらく消えてを繰り返していました。画面はつかないまま。あなたそんな機能あるの??と思い調べていったところ、PCが帯電するとそういうことになると。なるほど(?)。

バッテリーを外した状態で電源ボタンを何回か押して、放置すると良いらしいです。ほうほう。ということで

こいつを
(一度誤って強めにぶつけてしまい、排気口があれなのがバレてしまいますね…)

こうして

こう

これで電源ボタンをポチポチ空打ちして、食器を洗ってお風呂に入ってる間に放電してもらいました。

これでおそるおそる電源をつないでスイッチを入れてみると、起動しました。

あー、生きてるって感じ。

PCはこれなのですが、マウスコンピュータのは電源周りがイマイチなのかもしれませんね。(あまり詳しくないですが…)この前とある知り合いからInventorを入れたら突然起動しなくなったみたいな話をちょうど聞いていたので、どうしてもコスパを意識するとこういうこともあるのかもしれません。

軽く寿命縮みましたが、開発と研究の発表資料づくりに戻らなくては。

2024年10月7日月曜日

東北地区大会2024

東北地区大会に参加してきました。今年も長井市の皆さまやマウサーの方々から多くの元気をもらえた非常に良い大会でした。ありがとうございました。



で、新作は全く間に合わずRとなってしまった…。ハードウェアのトラブルやソフトの移植があるとはいえ、開発ペースが悪かったのは事実なので、これからギアを変えて追い上げたいと思います。

2024年9月27日金曜日

来週末は東北地区大会らしい

気づいたら8月はおろか9月も終わろうとしているみたいです。

東北地区大会が来週末にあるらしいです。
とりあえず、新型をエントリー。したものの、まだまだソフトウェアが追いついておらず、昨日の夜中にやっとこスタートセンサが切れるようになった程度。あー、これはちょっと厳しい。完走が目標ですかね…。

2024年8月12日月曜日

第2回reRo杯

ということでreRo杯に初参加してきました。場所は千葉工大ということで、多分高校生の頃の習志野ものづくりチャレンジ以来。


この規模の大会を学生の運営で出来てしまうのは本当にすごいと思います。参加者も遠方からの方も多く盛況でした。

競技はロボトレース、マイクロマウス、マイコンカーラリーの順で実施されました。個人的にはマイコンカーラリーを生で見るのは実は初めてだったと思うので、見ることが出来てよかったです。

自分のマシンはというと満身創痍で、どうやら吸引モータが死んでいたらしくデンソーカップと似た感じの走行内容でした。これでまたモーターを修理して…とかやってると本質的ではないところで時間を取られてしょうがないので、今回でLightningは引退させようと思います。

ピザパーティではreRoの作業場所を見させてもらうことが出来ました。非常に良い環境で羨ましい限りです。今度機会があったらお邪魔して調整させてもらおうかな。

素晴らしい大会を開催していただき、reRoの皆さんありがとうございました。



2024年8月11日日曜日

修理2

公式大会でもないしその場で動かすでよいかと思っていましたが、気づいたら迷路が部屋に出ていました。なんで。

仕方がないので、走らせてみる…と、左のエンコーダが読めてない。走れません。

ハードの故障だと、昨年の全日本前のThunderがおんなじ症状で作り直しになったし面倒くさいから諦めようかなと思っていたのですが、気づいたらホイールが分解されていました。なんで。




仕方がないので、様子を少し見てみると、モータマウント周辺を押して見るとたまに復活します。どこかの接触不良でしょう。と押す箇所を替えていったところ基板とエンコーダのはんだ付けしている部分が怪しそうとわかり、温め直すと、ポロッとパッドが取れました。なんで(設計が悪くて変に負荷がかかってるから)。

仕方がないので、UEW。


一応探索くらいはできるようになった…ようですが変な動きいっぱい。もうさすがに、寿命ですね。

明日はピザを食べに行こうと思います。明日というか今日ですね。

2024年8月10日土曜日

修理

今日はreRo杯の前日で、試走ができるみたいです…が、マシンはモード選択すらできない状態だったので、修理をしました。


パッドが2箇所もげていましたが、近くの抵抗につながればよいので、メッキ線を非常に短く切って強引に付けました。
メンテナンス性が悪すぎるので、よくわからない技術(?)が身に付きますね。ほんとこれ設計したの誰だよ


あと、今更な感じがしますが支えがつきました。
これでファンにダメージが乗らなくなると良いのですが。

さて、とりあえずこれでモード選択は出来るようになりました。
調整は、これからするんですかねぇ。ご飯を食べてから考えることとしましょうか。

2024年7月27日土曜日

試走会@アールティ

ファンが割れて、チップFETがパッドごともげました。新作をさっさと作れということでしょうか。



2024年7月26日金曜日

マイクロマウスTips4 STLINK-V3 MINIE

はじめに

STLINKを使う話を何気なく投稿したところ、使い方がよくわからない・教えてほしいという声を複数耳にしたので、メモしておきます。何気なく使っていましたが、整理してみるとそこそこわかりにくい点もあったので、そのあたりわかるようにまとめていきます。

使おうと思ったきっかけ

いくつかありますので、箇条書きで書いていきます。

・秋月で売っている
digikey, mouserを使わないといけない部品に比べて心理的ハードルが小さい。いざというときに安心。大体こういった部品は壊れてほしくないときに限って壊れたりするので、入手性は馬鹿になりません。

・小型
ごっつい感じのケースとか無いのがいいですね。

・USBコネクタがタイプC
Nucleoパキッをやりたくない主要因がコネクタがminiBであることだったりするので、これは嬉しい。

・Virtual COM
SWD以外にUARTも使える。いろいろ嬉しい。

・SWD書き込みが使える
これは頭痛が痛いとかと言っていること同じ。

使用例

まず使っているものの画像を以下に示します。




続けてマニュアルの一部を示します。


STLinkからはこのうち3, 4, 6, 7, 8, 10番の6ピンを出してあります。この中から必要なものを対象の回路に合わせて使うという感じです。
今回はこの6ピンに加えて変換ケーブルでSTM側のBootピンを10番かHi-Zかにできるようにスイッチをかまして7ピンをマウス側につないであります。マウス側ではBootピンはGNDにプルダウンされてるので、こうすることでブートモードを書き込みコネクタとつないだときのみ外部のスイッチで切り替えられるようになります。
7ピンのコネクタはハーフピッチピンソケット。EntranceもLightningもこれを使っています。サイズ感と断線の少なさ的にそこそこいいかなと思っています…が接触不良になることもなくはないです。やっぱり小さいコネクタはだめだわ

初見でわかりづらそうなところ

多分以下2つが分かりづらい気がします。

① T_VCCはターゲットとなるマイコンのVCC電圧を検出するためのピンであって、ここから電源は出ていない&ここをつないでいないと正しく動作しない

② T_VCP_RX, T_VCP_TX は「ターゲットの」RXDとTXDにつなげという意味なので、TXDとTXD、RXDとRXDをつなぐのが正しい

右のInput、Outputを見ればまあそうなんだろうなーと勘付きますが、読解というか空気を読む必要が若干あって紛らわしいですね。

あとNRSTはSoftware Resetで使う分には出さなくてOKです。これはほかのSTLinkもそうだった気がします(うろ覚え)。

少しハマったところ

windowsのCubeProgでは特に何もせずに動きましたが、手元のubuntu22.04では、はじめSTLinkが使えず、少しハマってしまいました。

エラーメッセージは下記。
libusb: error [get_usbfs_fd] libusb couldn't open USB device /dev/bus/usb/003/007, errno=13
libusb: error [get_usbfs_fd] libusb requires write access to USB device nodes

見たところSTLinkの認識自体はされていたので、ハードウェア的な問題ではないだろうと当たりをつけつつ、さらに見ていったところ手元のNucleo(STLink-V2)は問題なく認識されたので、ソフトがファームウェアに対応していないのだろうと推測。

ここからソフトを落としてきて
sudo dpkg -i <location>/stsw-link007/AllPlatforms/StlinkRulesFilesForLinux/st-stlink-udev-rules-<version>-linux-all.deb
で、無事使えるようになりました。ヨカッタ。

あと、STLinkの話というと少し違いますが、最近今更になってCubeProgのCUIがあることに気づきました…。なんで今までGUI使ってたんだ…。

終わりに

あんまり言われるまで気にしていませんでしたが、言われてみると書けるネタは結構ありましたね。
使い方にクセのあるものをあまり気にせずに使えるのは悪いことではない気がしますが、不便さに気づかないのはそれも考えようかなと思ったりする、今日この頃です。

2024年7月15日月曜日

第1回デンソーカップ

すでに1週間ほど経過している気がしますが、デンソーカップに参加してきました。



WMMCとMice勢は金曜日の夜10時に集合して車2台で刈谷に参戦(運転してくれた皆さんありがとうございます)。学生感が強くてなかなか楽しかったですが、体力的ダメージはなかなかなので次は新幹線にしようかな

さて、今回は公式戦ではないので、ゴール座標を書き換えておけばまあええかという意識の低い状態で試走会へ。

そうしたら、色々と事件発生。
まず、迷路に走らせてみると、明らかに色々とおかしい。タイヤ径と壁判定の閾値があっていない気がする。フレッシュマンかよとツッコミを入れつつ、調整を試みると、車中泊の疲れからか書き込み中にコネクタをうっかり抜いてしまう。いや、こういうことはたまにあるし書き込み直せばよいのです。
と・こ・ろ・が、ここで何故かシリアル変換器が故障しました(ちなみにこの原因、いまだによくわかっていないのでどうしたものか…。なんかCubeProgのバグを踏んだみたいだったけど、一瞬煙が見えたんよな…)。
さて、マウス起動しなくなりました。書き込みもできません。そして今回は意識が低く荷物を少なくしていたため、工具も替えの部品も持ってきてないという…。助けてーと言いながらぱわぷろ先輩にシリアル変換器を貸してもらい、Nくんに工具一式を借りてはんだ付けスペースで書き込み基板を修理。恐る恐るパソコンにつなぎ、書き込み。無事復活。ここまで1時間くらいでしたが体感1ヶ月位寿命が縮みました。そしてすぐに助けてくれたお二人本当にありがとうございました。協力がなかったら棄権になるところでした。

復活したので、再び調整再開。とりあえず単純に合わせ込めてなさそうなところは合わせこむも、探索中に32区画ストレートで半区画くらいずれる不思議な現象に遭遇。
修理によって集中力の回路が開いたおかげか、怪しい箇所を発見し、修正。そうしたところきれいにこの不具合は潰れ、ついでに探索の安定性が見るからに上がりました。全日本で動きがおかしかったのもおそらくこれが主要因だったみたいで、やっと原因の箇所を特定することができました。

そんな感じで、結局お昼ご飯を食べる余裕もなく試走会を過ごしました。行く前は「サステナハニーマルシェで美味しいご飯を食べれればOK」とか言っていましたが、単なるフラグだったみたいです。調整だけでなく、多くの人と交流する時間もとれたので良かったとは思います。懇親会、二次会を経てこの日は終了。

そして次の日。デンソーカップ当日。迷路はこちら。



経路長が極端に長いといったわかりやすい難所があるというわけではないですが、隙間が多くそこそこやりづらいポイントが多いといった感じでしょうか。全体の走行を見たあとの感想としては、最後の方のバテてくる頃に登場する櫛や、前半後半でタイムとして近い経路が複数存在するといったところが考えどころのように思います。

さて、私の走行ですが前日の調整のかいあって探索→オートスタートの一連の流れは危なげなく成功。したものの、本命の吸引走行ははじめの長いストレートを攻略できず、走らせることができませんでした。基本的なところで躓いてしまい悔しいところですが、言われてみると想定が甘いところはあるので、盲点だったようにも思います。
また、探索走行も姿勢を整える動作が多く発動し逐一止まるので時間がかかっており、今回は一応耐えていそうですが全面を見きれていないように見えます。このあたりにも課題があるように思います。
いずれにせよ、調整から本走行まで32×32の大きな迷路だからこそ気づく点が多く、課題を多くもらうことができたように思います。Lightningはハードウェア的に文句がまあまああるのでもう出番はないかと思っていましたが、今回の大会でソフトウェアの部分で確認できそうなところはありそうなので、検証するべきところはしたほうが良いようにも感じました。

一応、今回は周りの皆さんも振るわなかったこともあって、手応えは悪かったですがDENSO賞をいただきました。前日に調整が頑張ったのが効いたというのはありますが、やはりタイムで勝負したいわけで、当然ですがこの結果には満足していません。

デンまる、かわいいね〜

新作は間に合っておらず合わせ込みもしていない状態でしたが、マウスに対する自分のスイッチを入れ、課題を多くもらえたという意味で非常に良い刺激を受けることができたので、参加してよかったと思います。運営してくださったDENSOの皆さんありがとうございました。

2024年7月5日金曜日

特に何もしていない

そろそろデンソーカップみたいですが、タイトル通りです。みんなマウスやってるやってないの私だけ。先ほどゴール座標は書き換えておきました。
(この前の全日本と同じだから書き換えなくて良い?この前の合宿のプチ大会で書き換えたのです。油断ならない)

で、何もないのになぜ更新しようかと思ったのかというと、単にこちらを見てびっくりしたため。割と真面目に熱中症には気をつけませう。



2024年6月23日日曜日

マウス合宿2024

マウス合宿に今年も参加してきました。参加された皆さまお疲れさまでした。技術的な話はもちろんのこと、いろいろとじっくりとお話しできて非常に良いモチベーションを得ることが出来ました。運営していただいた方々も本当にありがとうございました。本日しゃべった内容は、こちら

(来年は弊サークルがやるらしい?ということは私も少しは動かないとか。。。)

(本業の研究は現在ピンチ。知らん。)

2024年6月2日日曜日

近況

6月になってしまったらしいです。月日の流れは早いですね。

今シーズンのイベントや日程はほとんどオープンになったようです。見ている限り今のところ関西地区は日程的に厳しい、reRo杯と東北地区大会は行くつもり、東日本は時期的に出るモチベーションがないかもですが機体の進捗しだい、といった印象です。

で、肝心のマシンはどうなのよというとかなりスローペース...。とりあえず先ほどやっと機体の基板を発注しました。新しく狙っていた回路が想定通りに動きそうにないことが分かってしまったのと、先月の頭にいろいろとあって開発がストップ気味になったことなどが効いてしまいだいぶ遅れてしまいました。

書き込み基板も発注したかったわけですが、ちょっとピンとくる構成にあたっていないので考え中。というのも、これまでのは秋月のシリアル変換を使って、そこから1セルのリポ充電の電源をもらって充電する感じのを使っていて、割とシンプルながらまとまっていて気に入って使っていたのですが。


今回からはSTLINK-V3MINIEを使おうと思っていて。ただこいつと充電基板をセットにしようとするとまあまあ面倒くさい...。今のところのアイデアとしてはSTLINKと充電基板は別にして、typecとtypeAのコネクタを両方つけられるような充電基板を作って普段使いのPCの充電器の余ったところにさすのが丸いか...、と思っていますが、どうしましょうかね。

あとマウス合宿では何かしゃべることになっているみたいですが、スライドはおろか話す内容の構成すらほとんど決まっていません。どうしましょうかね。

難しいことは今日の推しのライブに行ってから考えることにしましょう。うん、それが良い。

2024年4月18日木曜日

今シーズンの大会について考える

徐々に今シーズンの大会予定があがっているようなので今シーズンの予定について考えてみています。

今のところ予定がわかっているものについては
6月 マウス合宿 ◯
7/6, 7 デンソーカップ ◯
7/20, 21 関西地区大会 △ (前向きに検討中)
10/5, 6 東北地区大会 ◯ (行きたい)
10/26, 27 九州地区大会 △ (中部かどっちか片方には出たい)
11/2, 3 中部地区大会 △ (九州かどっちか片方には出たい)
11月 学生大会 ◯
2/22, 23全日本大会 ◯

わかっていないものに関しては
金沢 and 北陸信越... どちらか片方には出たいところ(ですが忙しさ次第でもある)
東日本... 日程次第

というところですかね。

2024年4月8日月曜日

マイクロマウスTips3 磁気式エンコーダの設計

はじめに

相変わらずブログの存在を忘れていた訳でご無沙汰しています...。
そういえば前に磁気式エンコーダについて記事を書く、といってどのくらいの月日が流れたかはよく分かりませんが、書いていきます。

今回の内容

マイクロマウス(旧ハーフ)では、既製品のエンコーダだとサイズが大きく扱いづらいために自作のエンコーダを使う方が多いと思います。その中でも、ネオジム磁石を使って専用のエンコーダICを用いて回転数を読み取るのは最もメジャーなやり方だと思います。
ここで問題となってくるのが、下手に作ると得られるデータが使いづらくなってしまうという点があります。機械精度やエンコーダICの性能といった話もあるのですが、この記事ではエンコーダICに必要な強度の磁場を与えるためにどうするかの設計について示します。
Entranceはこれに基づいて設計しています。これを考えたのはB1の夏ごろの話なので、おそらく高校物理が分かっていれば読める程度の内容だと思います(多分)。
※モバイル版だと数式がうまく出ないみたいなのでウェブ版のページで見ていただけるとよいと思います。

磁気式エンコーダの動作原理

磁気式エンコーダのICはどのようにして磁石の回転を読み取っているか、というとホール効果を利用しています。ホール効果とは何ぞや、という人は調べてください...だと投げやりすぎる気もするのでさらっと触れておくと、電流が流れているところに磁場をかけると電子の分布がローレンツ力によって偏り、起電力が生じる現象です。
磁気式エンコーダICの場合、下図の向きの磁場を検出する仕組みとなっており、磁石が回転すると磁場の強さは一定で分布の方向のみが回転するといった具合になります。このため、磁気式エンコーダで使われるネオジム磁石は径方向着磁といって、一般的な磁石とは違う方向で極が分かれているものを使用します。

磁気式エンコーダの仕組み概要

磁束密度の見積もり

では、エンコーダICにかかる磁束密度について見積もっていきましょう。
そうはいっても円柱のまま磁束密度を扱うのは難しいので、ここではN極、S極の重心の点にそれぞれ正と負の点磁極が1つずつあると仮定して計算します。この点磁極によってネオジム磁石のデータシートに記載されている表面磁束密度が生じていることから、エンコーダICのホールセンサ部にどれだけの磁束密度が生じているのかを見積もります。

仮定のイメージ

下図に、説明用の図を示します。

磁石の半径を$r$、厚みを$h$、磁石からエンコーダICのセンサまでの距離を$d$とします。
まず、仮定した点磁極の位置を確認しておくと、図の$y$方向と$z$方向は対称性から中央にあり、$x$方向については半円の重心の位置になります。これを$a$とすると
$$a=\frac{4}{3\pi}r$$
になります。導出は普通に積分するか、計算が嫌ならパップス・ギュルダンの定理あたりを使うか、そんなことをしなくてもググるか、で分かります。

次に、磁石に記載されている表面磁束密度$B$について考えていきます。


径方向着磁なので、データシート記載の表面磁束密度(例えば確かEntranceはネオマグさんのこちらのものを使っており、製品ページから確認できます)は上図のように側面z方向中心の位置での微小面の値であると考えられます。
ここで、この点での磁場の大きさ$H$を考えると、単位磁極が受ける力を磁気におけるクーロンの法則で見積もればよいので、比例定数$k_1$、仮定した磁極の磁気量$m$を用いて
$$H=k_1\frac{m}{(r-a)^2}-k_1\frac{m}{(r+a)^2}$$
になります。ここで
$$H=\frac{1}{\mu_0}B$$
であることから、新たに比例定数$k_2$を用いると
$$B=k_2 m\left(\frac{1}{(r-a)^2}-\frac{1}{(r+a)^2}\right)$$
となり、これがデータシートの表面磁束密度であると考えられます。

これをもとに、エンコーダにかかる磁束密度を見積もります。

エンコーダの中央での磁束密度は、上図のように2つの点磁極から受けるベクトルの合成と捉えることができます。$z$方向については相殺されて0となり、$x$方向についてのみ成分が残るので、結局のところ正の点磁極による磁束密度の$x$成分を2倍してあげれば、求めたい磁束密度$B_{sensor}$になることが分かります。
正の点磁極による磁束密度$B_1$の大きさは、磁極からホールセンサの距離を考えると、先ほどの比例定数$k_2$を用いて
$$B_1=k_2 m\frac{1}{a^2+(\frac{1}{2}h+d)^2}$$
になります。したがって、その$x$成分を2倍することで$B_{sensor}$は
$$B_{sensor}=2B_1 cos\theta$$
となります。ちなみに、$cos\theta$は図より
$$cos\theta=\frac{a}{\sqrt{a^2+(\frac{1}{2}h+d)^2}}$$
となります。

比例定数と磁極の値は勝手に置いた値なのでわかりませんが、データシートの磁束密度と求めたい$B_{sensor}$を比較すると長さの二乗の比で計算すればよいことがわかり、結局
$$B_{sensor}=2B\frac{\frac{1}{(\frac{4}{3\pi})^2r^2+(\frac{1}{2}h+d)^2}}{\frac{1}{(1-\frac{4}{3\pi})^2r^2}-\frac{1}{(1+\frac{4}{3\pi})^2r^2}}\frac{\frac{4}{3\pi}r}{\sqrt{(\frac{4}{3\pi})^2r^2+(\frac{1}{2}h+d)^2}}$$
という風になると思います。これでネオジム磁石の諸量とエンコーダと磁石の距離から、ICに流れる磁束密度が求められるようになりました。

エンコーダICに必要な磁束密度とその考察

実際のエンコーダICに必要な磁束密度はデータシートに書いてあります。例えばEntranceで用いたAS5147P(データシートのリンクに飛びます)なんかだとPage8に書いてあります。また、ホールセンサの位置についてPage35にかいてあるので、それも考慮して設計した覚えがあります。
導出した数式から$r$を小さくしたり$d$を大きくしたりすると与える磁束密度が小さくなってしまい苦しくなってくることが分かります。実際に何でもいいので計算ソフトに式を入れてパラメータをいじれば雰囲気はつかめてくると思います。
ちなみにEntranceはφ4の磁石を使っており、これがちょうどよいくらいだったと思います。

終わりに

いかがでしたでしょうか。あまりこの手の磁気式エンコーダの設計の話は耳にしたことがないですが、こんな感じで見積もるとどの程度攻めた設計をしてよいかの見当がつくのではないかと思います。(もしもなにか間違いあったらすみません)

余談

Q. そんなことよりLightningとかでやってる光学式エンコーダの話が聞きたいです。
A. やめといたほうが良いです。

2024年3月11日月曜日

APEC2024 5日目 大会本番

この日は大会本番の日ですが、時間が夜19:30からなので午前中は観光へ。おすすめされたCalifornia Science Centerへ行ってきました。日本で言う未来館に近いようなところです。



宇宙関連の展示と生態系に関する教育向けの展示の2つを楽しんできました。






午後に会場へ。



18:30までは調整して良いとのことだったので、主に探索を中心に調整しました。

日も暮れて、迷路公開。経路は一見2つありますが、斜めを使うメリットはないので実質的に長めのストレートを繰り返すのが代表経路になります。



今回参加したロボットたち。台湾や中国の参加は春節の影響もあって無く、いつもの人たち+現地のマウスが少し、という感じです。



さて、競技の方ですが探索は全日本と同様1.0m/s吸引探索。帰りにやたら補正が多くかかって怪しかったですが壁の読み違いは特に無くとりあえず無事帰還。
その後のオートスタートですが、ストレートの部分は問題なく進んだもののその後の短めの斜め区間を超えた180ターンで壁切れが読めず壁に衝突。Thunderが壁切れを早く読んでしまうのはともかく読み飛ばすのはおそらく作ってからこの大会本番までおそらく一度もなかったので驚きでした。
その後はFastestRun狙いで普段のパラメータを使いましたがこれも直進中に吹っ飛んでいったりターン位置が悪かったりよくわからない動きを連発して一度も記録を残せず終了しました。

最終出走にも関わらずこけるという学生大会の二の舞のような展開になってしまい非常に残念ですが、大会のたびにわかっていない問題が出てくるというのはまだ検証が足りていないのだと思います。今回優勝されたPeterさんのマシンは環境が違う中でも非常に安定していたので、やはり安定性はここぞという大会では非常に重要だと痛感しました。

大会終了後はマウサーと別れを告げて帰宅。6日目は移動のみなので特筆することはなく。

以上、APEC2024のレポートでした。アメリカも海外戦もはじめてでしたが、非常に濃密な日々で貴重な経験となりました。

APECの話を伝えてくださりGITAI見学の機会を設けてくださったNTFのNさん、私を招待してくださったOttenさん、同じく日本人マウサーとして行動をともにしたTさん、PeterさんやHarjitさんといった海外選手の皆さん、非常に様々な方のおかげです。本当にありがとうございました。言語や文化を超えてでもやり続けたいと思う魅力がここにはある、そう実感することができました。

そしてこれでようやく2023シーズン終了。2023は速度域は上がりましたがここぞという場面で外してしまいがちだった印象だったので、2024に向けて修行を重ねなくては...。

APEC2024 4日目 試走

この日は午前中はNさんが会場近くの戦艦博物館に行くとのことなのでご一緒することに。Battleship IOWAの展示です。




まあまあ階段が急なのと、思った以上に内容があって2時間近くかけて回りました。





その後会場へ移動。今回の会場はLong Beach Convension Center。




はじめマイクロマウスのブースが見つからなかったのですが海外選手に教えてもらいスペースを発見。迷路の組み立てからスタートしました。



APECで使用される迷路はいくつか日本とは違いが有ります。写真のように9枚の板に金属片を差し込んで組み合わせていきます。全日本の迷路と比べてしまうとあるところには段差が有りますが、全く走れないというほどでもないくらいです。ちょうど1mmくらいがMAXのような印象でした。



表面は話に聞いていたとおりかなりスベスベです。



壁、柱も日本のものとは違い壁の差し込む出っ張りにテーパーがかかっており、上から差し込んで固定する感じです。これが結構接合が固かったりあわなかったりして、組み立てるのが大変...汗。また、壁の中は中空構造です。



組み立てが終わったら早速試走。壁の反射率が違うと聞いていましたがそのとおりで日本のときより値が弱めにでているようだったので、そこのパラメータを調整。また、全日本で見られた壁の読み違いがまだ見られたのでそこの閾値を調整。結局の所全日本では壁判定の閾値があまり良くなかったようです。最短走行は安定していそうだったので特に調整せず。

迷路の置く位置や照明環境が本番とは違うのでそこそこのところで切り上げてこの日は帰宅しました。

APEC2024 3日目 GITAI見学

この日は午後に予定があるのでそれまで適当に時間を潰します。

午前中はホテルの近くを散策していたところ、日本向けスーパー(?)みたいなものを発見したので入ってみることに。




おそらくドン・キホーテと提携しているみたい?な店で品揃えがしっかりしていて驚きました。あまり見かけませんでしたが日本人在住者もいるのでしょうか。



お昼ごろに目的地であるトーランスに移動。少し時間があるので近くの公園をブラブラ。この日は土曜日だったのでファーマーズマーケット的なものも行われていました。



リスがかわいい。




そして午後のメインイベント。GITAI見学にやってきました。



宇宙ロボットのスタートアップ企業で、ところさんが案内してくださりました。実に6年ぶりくらいの再会でした。ここで日本勢(Nさん、Tさんら)や海外選手も合流し、非常に有意義な時間を過ごしました(写真とか興味ある人は今度会う時に言ってもらえれば)。

その後日本勢と海外勢は一旦別れてところさんのアパートの共有スペースみたいなところで交流。とても広々した屋外で羨ましかったです笑。画像は思ったよりしっかり火が出てTさんと一瞬燃やされそうになった暖炉。



夕食は日本勢の皆さんとステーキ。ところさんとTさんの宇宙開発関係の話を始めとても興味深くためになる話を色々と聞くことができました。



ところさんには翌日出張があるご多忙な中、貴重な機会をくださり本当にありがとうございました。非常に思い出に残る1日となりました。