2023年12月23日土曜日

マイクロマウスTips2 回路製作の視点

この記事はWMMC Advent Calendar 2023 23日目の記事です。

昨日の記事はundefinedでした(だれか埋めてくれないかな)。

はじめに

はじめて自作マウスを作る上で、自分で作った回路を正しく動く状態にするというのは、1つの大きな関門です。
学生大会ではマイコンの書き込みがうまくいかないという話を耳にしたので、この記事を書き始めたときはマイコン周りのみの話をしようと思っていました。しかし、まとめようと思うと把握しておくべき事項がかなり多いことに気づいたので、いくつかにわけてノウハウを紹介していきたいと思います。
今回は回路製作の視点ということで、総論について示します。主に私が回路製作で意識している点や、どんな回路にも言える陥りやすい点などについて書きます。
電源回路やRXとSTM特有のところなどといった話は、各論として少しずつ出していこうと思います。

大まかな流れ

回路を製作するうえでの手順は基本的に次の3工程だと思います。
1. 回路図(どの部品の足とどの部品の足が接続関係にあるか)を作成する
2. 配線図(実際の配線、基板パターン)を作成する
3. 設計した基板データ通りに、実装をする
これはユニバーサル基板であろうとプリント基板であろうと、共通の流れだと思います。

ここで大事なのは、この3工程のそれぞれにミスをするポイントがあるので、疑っていくときに1~3のどこの問題かを強く意識してデバッグしていくとよいということです。
ただなかなか厄介なのは、不具合が起こっている回路の場合、症状を見ただけではどれと特定するのが難しいというところです。複数のトラブルを抱えている場合、1つ解消しても動作が変わらない、みたいなこともざらにあります。1つコアとなる理論を把握していれば一直線で議論が進む数学やアルゴリズムとは違って、考えられる問題を根気強く潰していき、致命的な点をなくすというところがゴールです。
では、この3つそれぞれについて私が意識している点を書いていきます。

回路図設計のポイント

まず、自分で何かこういう回路を作りたい、となった場合にまずはじめにやることは、他に同じことをやっている人がいないかを探すことです。マウスの場合はちょっと調べれば多くの人が自身のマシンの回路図を公開していると思うので(ありがたい)、どんどん参考にしていきましょう。
そして参考にする際に非常に重要なことは、ほかの人の回路図と各種IC、センサのデータシートやリファレンスマニュアルを照らし合わせて、どうしてその回路図になるのかをよく考えることです。1つの回路図だけだとわかりにくいので、複数あるとよいでしょう。比較してみると誰にでも共通している点と人によって違う点があると思うので、そういったところは理解のヒントになると思います。基本的に根拠はデータシートにあります。人のを参考にするというのは理解のとっかかりとして良いのであって、その根拠を考えていないと、うまくいかなくなったときに手詰まりになってしまうと思います。そのコンデンサはデータシートの何ページにつけるように指示があるか、一度は確認しましょう。

配線図設計のポイント

配線のポイントはまず、配線ではなくて部品配置にあります。私は部品配置8:配線2くらいの重さで捉えています。どういう配線にするかあらかじめ想定して部品を置くことが大切です。ここが上手にできると配線が楽に出来ます。パターンを引き始める前が勝負だと私は思っています。
配線を始めたうえで考えるのは以下2点だと思います。
・流す電流量に対して配線の幅が足りているか
・ノイズが載ってしまう配線になっていないか
1つ目は電流が多く流れるところは太く配線するということです。バッテリーの電源、モーターにつなぐ配線なんかが代表でしょうか。あと私はアナログ周りの信号線は少し太めにしたりしています。大体1Aで幅1mmくらいといわれており私もその要領で配線していて電流が流せなくて困ったことはありません。
2つ目は、とりあえずノイズ対策.comはプリント基板を作り始めるまでに一度はすべてに目を通しておいてほしいところです。ポイントが網羅されています。あとこれは私が意識していることとして、配線しながらも電流がどの経路でバッテリーまで戻ってくるかを考えるようにしています...がおそらくこれは慣れている人向けだと思います。
プリント基板を前提に話していますが、ユニバーサル基板だとどうでしょう。気を付けているのは電源などに細いウレタン線を使ったりしないこととコンデンサをICのすぐそばに置くことくらいですかね。それだけですが特に悩まされたことはないです。

実装のポイント

実装のポイントというかゴールは接触不良がないことです。そのうえで一番大事なことは
良い道具を使うこと
だと思います。よい道具はえてしてお高めなことが多いですが、はんだごてや圧着工具、こて先やニッパーなど、ある程度よく使う道具はちゃんとしたものを使うとよいと思います。
また、基板のパッドを大きめにとるのも結構効きます。小さすぎるとはんだごてをあてる面がなくて苦労することがありますね。
あとはまあなんというか、丁寧に作ることが非常に大切ですね。部品の位置がちゃんと真ん中に乗るように置くことや、はんだがフラックスが抜けて死んでいないか(張りがなくなってしまっていると危ないです)といったところを、妥協せずに見ていきましょう。ここは多少時間かけてでも丁寧にやったほうが、あとあと動作確認で動かなくて苦しむより楽になるケースが多いです。はんだごてを使う際に点ではなくて面を使って熱の伝わりを意識する...とかもありますがこれは文で書いてもしょうがないので練習あるのみです。

動作確認をする際のポイント

以上の3工程を踏んで動作確認をするわけですが、大事なことをいくつか述べていきます。
まず、動作確認は細かい要素ごとに行いましょう。一気に全部やると、それだけミスとなりうる要因が増えるので間違えやすいだけでなく、何より間違えたときの原因箇所の特定がぐっと難しくなってしまいます。要素が増えるたびに要因は掛け算的に増えるというイメージです。マウスの場合、具体的にはバッテリー電源→レギュレータなど通して安定させた電源→マイコン書き込み→スイッチ、センサ、モータなど1つずつみたいな要領でやるとよいでしょう。
トラブルが発生したらどうしましょうか。基本的には、問題と考えられる箇所をテスター、場合によってはオシロスコープを用いて確認していきます。うまく動いているとしたらどういう値が出るかを想定して、特徴的と思われる箇所を測定していく流れになります。

部品選定について

3工程と書きましたが、本来は最初に部品選定が入るので本来は4工程です。が、正直言ってしまうと初心者の場合、ほかの人が使ったことがある部品(特にIC)を使うようにしましょう。回路を自分で作ったことのない人が誰も使っていないICや部品を使うのは無謀です。マウスでよく使われるICはあると思いますが、あれは別に更新するのを怠っているとかではなくいろいろな観点から見て信頼性の高い部品がよく使われる部品として残っているという感じです。マウスはサイズの制約も厳しいので、応答性やノイズ耐性など考慮してくと使える部品は限られるのですが、それがピンとくるまではメジャーな部品を使いながら使い方を学ぶのが現実的だと思います。

終わりに

ざっくり全体像と、私が普段気を付けている点や力点について今回は示しました。
回路が思うように動かないと特に初心者の場合モチベーションも下がると思うので難しいところだとは思いますが、時間をかけてデバッグしたり、信頼できる人に相談したりして頑張っていきましょう。
次回からは回路に関しては個々の各論について紹介していこうと思います。

投稿0:00からちょっと遅れちゃいましたね。すみません。アドカレ4本はちょっと重かったかな...(うち1つは内容ないですが)。


次回はジャッジー先輩の「わんちゃん今宵は良い夜に」です。良い夜ということはガッツリ開発して圧倒的進捗でも生むのでしょうか(←病気)。どんな内容か予想つきませんが楽しみにしてます。

2023年12月16日土曜日

マイクロマウスTips1 経路導出

この記事はWMMC Advent Calendar 2023 16日目の記事です。

昨日の記事はジャッジー先輩の「富士山登頂記」でした。
山頂まで登頂したのですね。さすがです。高純度の達成感が得られそうですね。ちなみに私は学生大会で工芸大の2階から4階の移動すらエレベータを使う人間なので登山は無理です。

はじめに

学生大会でもリクエストの多そうだった経路導出について書きます。
といっても内容全部書いてしまってみんな同じようになってしまったら面白くないのと、斜めやっている人たちはそれなりにデバッグの体力あると思うので、ここでは私の考え方の指針について伝えるにとどめます。経路導出といっても、やってること自体は結構簡単なことであることが伝われば、狙い通りという感じです。

足立法について

マイクロマウスにおいて主流とされる探索手法に足立法と呼ばれるものがあります。
考え方としては、ゴールから今の自分のマスまでの最小歩数となる経路を、壁情報の更新が行われるたびにたどり続けることでゴールに辿り着くことができるというものです。足立法についてよくわかっていない人はこちらとかを見ればわかるんじゃないですかね(今「マイクロマウス 足立法」でgoogle検索して一番上のリンク貼ってるだけなのでこのくらいは調べてほしいですが...)。
探索を終えた後に最短経路を導出するといったときは、この足立法で用いる歩数マップとよばれるマップを探索で見ていない壁はあるものとして作成し、辿ることで最小歩数の経路を出せる、というのがとりあえず初めてマイクロマウスで最短走行を行うときによく使われるやり方のように思います。

歩数マップで経路導出をするという意味

さて、ここからが私の視点での考え方なのですが、とどのつまり歩数マップを用いて経路導出をするというのはどういうことなのでしょう?確かに「最小の歩数が出る」というのはそうなのですが、マウスの走りにおいて、これを用いる旨みはどこにあるのでしょう。
私は、この歩数マップで出す経路は「1区画ずつ進んでは止まり、旋回時は超信地旋回を行う、という走り方をするマウスが、基本的に必ず最もよいタイムの出る経路を導出することのできる経路導出方法」だと捉えています。
言われてみれば、まあそれはそうでしょうね。という感想の人も多いかもしれません。ここで伝えたいポイントは、歩数マップにおいてこのような結論が得られるのはマップの更新の仕方とマウスの動き方が同じだからというところにあります。

しかし現在の大会で、こういった走りで最短走行をするマシンはほとんど見かけません。1区画進んでは止まっていては、探索で時間切れになってしまうのがオチでしょう。実際は直進は速度を緩めずに走りますし、旋回時にも速度を緩めないでカーブする(スラローム)わけで、さらに旋回半径を大きくしたり斜め走行を行ったり、原形をとどめないところまで走行の内容が変わっているわけです。
歩数マップしか用いないというのは、動き方の部分はどんどん進化しているのに、肝心の経路の部分の考え方は初歩のころから変わっていないということになります。マウスは基本的に構成要素の一番弱い部分に性能が引っ張られてしまうので、このままでは経路の不出来でタイムを落とすことがあるというのは、ある種必然です。

ではどうしましょうか。やることは単純です。経路導出の仕方を、実際の動きに合わせる。これだけです。

実際にやってみよう

では、今回の学生大会の迷路を例に、考えていきましょう。マウスの動きをベースに考えていくことが肝です。


行きと帰りでは旋回の仕方が異なるため、スタートにマウスがいる状態から考えます。ちょうど黒い矢印のところにマウスがいるとしましょう(というか2次走行の時は絶対そうですよね)。目標地点の隣り合うところを更新する足立法と同様に、次にマウスがどこに行くのか考えてみます。
歩数マップの場合、更新されるのは1区画進んだところなので、下の図のように、1区画進んだところのみ情報が更新されますよね。


しかし、実際問題はどうでしょうか。斜め走行を行うマシンの場合、長いストレートは1つのモーションとしてつないだり、なるべく短い距離になるようにターンしたりしますよね。そう考えると、スタートしてから一息ついた段階でマウスは、開幕ターンとストレートを加味すると下図に示す位置にいる可能性があるといえます。



赤い矢印がマウス、矢印の先端がマウスの頭です

スタートから一息つきました。足立法の場合、次に歩数マップの値が少ないところを起点として更新しますね。では、斜め走行を行うときも同様にそこに到達するまでにかかった時間の短そうなところを起点としてみましょうか。どこでしょうかね。



おそらく上図の黒丸の矢印ではないでしょうか。1区画進んだところですね。ここから更新しましょう。と思いますが、そこから先のストレートはすべてスタートを起点としたときに更新済みでした。1区画進んでからn区画進むより、n+1区画進んだ方がさすがに速いでしょうから、ここでの更新はなく、次に行きます。
次は細かい順番はマウスの速さによるでしょうが、大体2区画進んだところと最初のIn45ターンしたところ、Big90ターンしたところあたりが起点の候補になるでしょう。しかし、2区画進んだところは1区画進んだところと同様の理由で、ほか2つについてはその後の行き先が壁に阻まれて見当たらないので、ここでも更新はできなさそうです。

その次はIn135ターンで来た下図黒丸の矢印を起点にします。ここからは次のストレートに復帰するOut45ターンをしたところ、もしかしたら複合ターン(マウス用語: こじまターン)をする場合はその先までマウスが行っているかもしれません。これらを反映してマウスがいる可能性があるところを、青矢印で示します。



もう大体わかってきたのではないでしょうか。この要領で更新を続けていけば、やがてゴールに近づいていくでしょう。そして更新する際に時間が短くなる時のみ更新し続けていれば、必然的にかかる時間の短い経路が出ているはずです。

あとはこれを実装するだけです。やろうとしていること自体は、結構シンプルなんですよ。

ダイクストラ法について

この手の話をすると二言目くらいに「ダイクストラ法」というワードが出てきます。ダイクストラ法の説明は、ネット上に多くの記事があるので検索してください。今回の考え方でいうと、マウスがいる可能性のある地点を「ノード」、起点から次の位置に行くまでの道のりを「エッジ」と捉えてあげれば、読みやすいと思います。
より詳しい話を知りたければ、私なんかよりAtcoder(競技プログラミング)をやっている人の方がはるかに詳しいので、近くにいる人で該当する人をとっ捕まえて聞いてください。

終わりに

いかがでしたでしょうか。とっかかりは掴めましたかね。
もちろんこの考え方はあくまで私個人の考え方で一般解であるかは私も知らないので、これにこだわらず各自でこれが正しい、と思える導出法を模索してデバッグしてもらえたらと思います。走行パターンがそこそこあるので息が切れそうになるかもしれませんが、時間をかけて頑張ってください。

最後に少しだけ。私が大学に入ってからマウスを作る際に意識していることとして「難しく考えようとしない、なるべくシンプルに正しい形に持っていく」ことを意識しています。
経路導出についても、やれ高級なダイクストラだ最適問題だといった難しいものを難しく使いこなそうとしていると、少なくとも私は何をやってるのかよくわからなくなってしまいます。そうではなくて、とどのつまり何がしたいの、と考えてみると全体像や指針は意外とあっさりしていることが多いです。そこが見えたらそれに沿って実装をしていきます。実装をしていく中で、先に挙げたダイクストラのような話がツールとして出てきます。はじめにシンプルにとらえられていると、ツールの使いどころがよく見えるので、多少煩雑になっても実装しきることができるという感じです。

と、偉そうなことを言いましたが何か話した内容でおかしそうなところがあったらあとで(こっそり)教えてください(笑)。

また、今後も技術系の記事は「マイクロマウスTips」として、不定期に出していこうと思います。


明日はの記事は卓輝くんの「なんか書きます。」です。

2023年12月14日木曜日

学生大会2023

この記事はマイクロマウス Advent Calendar 2023 14日目の記事です。

昨日の記事は、はやぶささんの「ロボット紹介と先輩の話」でした。
先輩と切磋琢磨しながらレベルを上げていき、気付けばロボトレースの上位の世界へいくという非常に物語性のある読んでいて元気になる記事でした。reRoさんはコロナ明けあたりから耳にするようになった団体ですが、牽引している2人をはじめ今回の学生大会ではロボトレースの表彰台を独占するなど勢いもパワーも凄まじいですね。そして当日は観覧席で上から見ていましたが、最終出走のはやぶささんの唯一の4秒台のマシンの走り、会場の盛り上がり、圧巻でした。

さて、今年の学生大会について書いていきます。
※書きたいことを書いたらかなり長くなってしまったので、興味のあるところを中心に読むことをおすすめします。

競技結果

今回は2競技3台のエントリー。結果をまとめると

クラシックマウス Thunder: 優勝
マイクロマウス: Entrance_v2: 第2位 特別賞
マイクロマウス: Lightning: 最短できず

という感じでした。一言でいうと、クラシックは勝ちましたがマウスは負けました。



競技前の調整状況

大会の話に入る前に、軽く東日本大会の後にどのように開発していたかを書いておきましょう。主な開発はハードの動作確認のみ10月に済ませてあったクラシックマウスを実戦投入できるように、そちらのデバッグや調整を進めていました。
Lightningと同じ設計思想で製作したのでこれまで作ったソフトウェアのベースで短期間で間に合わせる...というのが狙いですが、当然そんなスムーズに進むわけもなく。
特にフェールセーフがうまくかからない調整初期に
マシンが暴走する
機体重量21gに対して相当高い出力が出せるので盛大に壁に衝突する
基板厚0.6 mmなので基板がたわむ
ファンが大破しセンサLEDのチップFETの足が折れる
といったハードトラブルに苦しめられ、ファンの在庫が手元に無くなったのでDMM即納で大会2週間切ったあたりに補充。同タイミングで風邪をひいて人間の方が壊れ始め...限界限界。咳が出て頭痛がしても家に迷路はあるので、気力を振り絞って何とか明らかにおかしそうなところは潰してクラシックの方は月曜日ぐらいに調整終了。

書き込みコネクタがもげたあと吸引ファンが大破して絶望する図
(ちなみに左センサLEDも光らなくなった)

翌日に替えのファンをまた割って在庫がなくなり再び絶望する図

そこからマイクロマウスの方の調整を始めたわけですが、以前からわかっていた吸引モーターを回すとIMUの出力になかなか嫌なノイズが載る問題を上手く解決できず。クラシックの方はIMUの周りに防振シートをはめ込むことでかなり改善したのですが、マウスの方はそれはあまり効果を示さずで、どうにかしたいと思いつつ残り時間と人間の残り体力的にどうすることもできず、東日本大会と2週間前のRT試走で走っている実績を信じて大きくは東日本と変わらない状態での参戦、という形となりました。

競技の感想

・クラシックマウス

迷路はこちら。2017年関西地区大会リバイバル。なかなか癖の強い迷路を持ってきたなというのが第一印象でしたね。出題者の方も競技開始時に話していましたが、迷路を隠していたカバー上からもうっすらと見えたロング斜め、これを攻略できるかにかかっている感じでしょう。
出走は午前最後ということで、後半のDCマウスの走りを見てからパラメータを決めるなんて悠長なことはできないので、1717モータを使うタイプのマシンでは逆立ちしても勝てないくらいのパラメータのみ入れた状態で走らせました。全面探索を問題なく完走し、4走とも期待通りのロング斜めを通るルートを選択して無事最短成功。2位の台湾勢の学生とも1秒以上の差をつけて唯一2秒台を出せ無事優勝となりました。

クラシックの大きなサイズ感であそこまで長いストレートを走れると非常に気持ちがいいですね。と言っていたら周りから「あれ本気出してないだろ」とのツッコミが。
あれそうだっけと(パラメータを組んだ時意識がもうろうとしていたのでよく覚えていない)斜めの最高速を確認したところ、3.5~4 m/s。あそこまで長いと最高速度が効いてくるということが分かったので、次は上げておきますね()。ただ部室の普段の迷路サイズだとそんなに出せないし、マシンを壊したくないからあんまりあげたくないんだよな...。今月のRT試走で直進限界性能テストをやってみましょうかね。
一方で斜め3.5 m/sでもあちらのルートしかでなかったということはほかの経路は相当不利なのでしょう。コンマ数秒で競う現在のレースにおいて、経路導出のミスは致命傷になるという非常に良いサンプルだったようにも思います。競技者の中であのルートを選んだのは実は私のみだったみたい(ちなみに海外勢もロング斜め選択してますが、ゴール前の経路が私とは少し違うのでそういったところも着目してみると面白いです)なので、ぜひ、斜め走行ができるようになりタイムを上げられるようになった人は最適経路選択をどうするかについて本格的に挑戦してみてください。こちらとしても良い経路どうしのタイムで撃墜できないとのれんに腕押しというかあんまり手応えがないので。

・マイクロマウス

マウスの方の迷路はこちら。セミファイナル2019と同一の出題。地区大会にしては代表経路がやや長めな迷路でしたね。これという鬼門はないですが、まんべんなくいろいろな動きの要素が入っているので、意外と走りにくいという感じの迷路でしょう。
マイクロマウスの方は最終出走。旧作のEntrance_v2はオートスタート含め5走きちんと完走。経路が長めといえど昨年度のファイナルに比べれば3分の1程度なので、このくらいは問題ないでしょう。
一方、新作Lightningは全面探索は成功させたものの最短走行が1度も決まらないという非常に残念な結果となってしまいました。先に述べたIMUの問題で軌跡の再現性がないのがおそらく一番大きな要因と推測していますが、ほかにもまだ見つかっていない、詰めきれていない明らかにだめな要素がまだまだあるのでしょう。探索も一度明らかに距離ズレをおこしていましたしね。いやーしかし、最低パラメータを3回走らせて一度もゴールしないとは...。最後にボロが出たというかやらかしましたね。

結果的に旧作で第2位、またオートスタート完走と唯一5走完走で特別賞をいただきました。Entranceはやはりそこそこ丁寧に時間をかけて作ってあるので調整していなかった2023シーズンもかなり安定して走っていましたね。新作1位で旧作特別賞で終えられればきれいな形だったのですが...、ちょっとLightningにかけられた時間が短すぎたように思います。
競技全体としても完走率、最短成功率は芳しくなく、ある意味でマイクロマウス競技のシビアさを他の方も感じたかと思います。前からちょくちょく言っていますがトップ層の真の凄さは速さではなくマシンをハード、ソフトともに詰めきったことによって生まれるその動きにあります。もともと難しい競技であることは間違いないので、1つ1つ試行錯誤、相談しながら課題をクリアしていきましょう。というか、私もクリアしなくてはなりません。

ポイントランキングについて

これで今シーズンの地区大会はすべて終了(救済向けの認定大会除く)で、ポイントランキングが確定しましたね。私はマウスは4位、クラシックは5位ということでトップな方々の前座枠になりそうなので、前座を全うできるように怪しい動きを潰すことに専念したいと思います。今のままではレースをする以前にファイナルでは自滅してしまう状態なのでなんとかしなくては...。

ところで、Advent Calendar でけりさんのブログを見てふと思ったので、ちょっとだけポイントの付け方について独り言を。
現状、特にマウスの方はレースがなかなか熾烈でトップの8台くらいが団子になることがよくあります。経路が短いとみんなトップスピードで走れるのでこれが顕著で、東日本大会は1秒台でないと複数ポイントを取ることさえ難しいという状態でした。(その状況作った一員のお前が言うな)そのため、速さにあまり重きを置いていない、あるいはできてそこまで時間が経っていないマシンを製作している人にとっては3地区大会以上を回らないとファイナルに実質的に行くのが難しいというちょっと苦しい状態なように思います。学生の場合は荒らしが少ない&出走台数が多い恩恵で学生大会でポイントが取りやすいという現象(通称:学割)があるのでなんとかなりますが、社会人の場合はそうもいかないのではないでしょうか。

そこでなんですが、ポイントの評価基準に今のタイムの相対評価に加えて絶対的な評価があってもいいんじゃないかな、と思っています。適当に思いつくものだと
・オートスタートを決めたら+1ポイント加点、5走オートスタートなら+2ポイント加点
・特別賞をもらったら+2ポイント加点
・迷路で過去問を利用するのであれば、当時の出走者のタイムから検討をつけて〇〇秒以内なら+1~3ポイント加点
など。Entranceを出していて自律走行やロバスト性を評価したいというところを感じつつあるので、せっかくなら多少実益があったほうが、競技者のモチベーション向上や駆け引きが生まれたりしないかなと思ったりしています。

私は運営のことは詳しくなく完全に思いつきで書いているので的を射ていなければスルーしていただいて構わないのですが、一応こちらに書いておきます。

書いてほしい記事を募集中

大会中にも適当に回りながらつぶやいていたのですが、なにか困っているトピックで助けのほしい技術的な記事を書いてほしいということがあったら、リクエストしていただければ時間のあるときに書こうと思います。結構聞いていると言われてみれば的な苦戦する要素があるようで、私の勝手な想像だけではわからないところが多いと感じているので。
とりあえず
・マイコン周辺回路の製作のポイント(Lチカをするまでに必要なこと)
・足立法を脱して経路導出をするヒント
・磁気式エンコーダの設計(EntranceでエンコーダICのデータシートとネオジム磁石の磁束の大きさからどのように諸量を決定したか)
あたりは耳にしたorわかっていない人が多そうなので書こうと思っています。他にあれば何かしらの手段で連絡ください。

その他雑多な感想

以下、箇条書きで雑多な感想を。

・弊サークルが久しぶりに団体特別賞を受賞しました。主に初心者向けにハードルを下げた標準マウスキットを作ったN先輩の貢献が大きかったですね。後輩へのフォローもしっかりしており私も見習わなくてはと思いました。詳しくは本日のWMMC Advent Calendar 2023で書いてくれていると思うのでそちらもぜひご覧ください。

・クラシックにも出たこともあってか、複数人から「トレーサは?」と聞かれました。某小学生トレーサからも「なんでやらないの」と言われます。この界隈怖すぎだろ。そうですね...とりあえず自宅にコースが置けないのが一番のネックですが、どういう構成が流行っているのかくらいはチェックしておきましょうかね。

・hさんマウスの方優勝おめでとうございます。どうやら2徹+αの無茶をしていたようで、限界開発はお互い様ですね。しかし、次は負けませんよ〜。

今後の展望

これでとりあえず今シーズンの地区大会はすべて終了しました。
現状としてはマイコンからコンセプトまでかなり変更した新作を短期間で2台製作し、そこそこ走れば良タイムが出るくらいの状態になってきました。これまでの中でもかなり素性の良いハードウェアを作れ、モーターの回し方もだいぶ上手になってきたように思います。
一方で、まだ細かい部分まで目が行き届いていないところ、そして上位とはおそらく決定的にレベル差がある要素(これはそれに取り組み始めたら話し始めるかもしれません)があることを、特に今回Lightningでコケたことで確信しました。
この差を縮めていくにはどうしようかと思ったときに、マシンの話もありますが、人間の開発の仕方、普段の過ごし方を含め一段階上のレベルに挙げなくてはならないときが来つつあるなと感じています。大会が迫ってきたときにまとまった時間で集中するスタイルでは、確かにこれはこれで集中したデバッグは性能アップにつながるわけですが、それでは場当たり的な解決策も必然的に増えていくわけで、日々足りない知識を補い、適度な緊張感を持って日頃からブラッシュアップを行い、直前期に追い込みをかける、くらいでないとなのかなと。そろそろ覚悟を決めるときのように思います。
とりあえず今シーズンの全日本大会までは期間が長くはないので、おかしな点を潰していくことを第一に開発を進めていこうと思います。

終わりに

遠慮しろと言われそうなくらい景品をいただきました。ありがとうございます。
1717モータはサークル員に譲ることが決まっていますが、MTLのエンコーダの活用法については検討中...。あとオシロスコープ手元にないのでADALM2000は結構嬉しいです。そしてタイヤは2台で削るのでいくらあっても良いです。ルーペも0603metric抵抗のはんだ付けの確認に有用そうです。どれも非常にありがたい。



最後になりますが工芸大の方々や協賛企業の方々、選手の皆さん楽しい時間や運営をありがとうございました。


明日の記事はtutuiさんの「ロボトレ機体を1週間で作らされた話」です。
作った話じゃなくて作らされたと書くところにすでに何かが漏れているような気もしますが、どんな開発話がでてくるのでしょうか。楽しみです。

2023年12月3日日曜日

風邪を引いた

この記事はWMMC Advent Calendar 3日目の記事です。

今回は先日まで開催されていたiREX(国際ロボット展)について...

書こうと思っていましたが、風邪を引いてしまい行けませんでした!

マウサーの皆さんとアールティブースでクラシック走らせたかったよ...。うえーん。

書くことなくなっちゃったよ。

...

この悔しさは学生大会でぶつけたいと思います。

次回はたまかけくんの「令和の時代に似つかわしくない話」です。お楽しみに。

2023年11月21日火曜日

2023クラシックマウス新作 Thunder

荒削りですが一通り調整して学生大会のエントリーは済ませたので今年のクラシックの方の新作を公開します。Lightningの兄弟、Thunderです。



なんとも言えない見た目が特徴でしょうか。サークルで見せたら気持ちが悪いだのどうしてこうなった感が強いだの称賛の嵐でしたね。

作った理由としては、Lightningだけだと調整の際にマシンの特有の癖なのか一般論としていいのか良くわからないところがまあまああり、似た雰囲気で動きのスケール感の違うマシンがあると比較検証がしやすいと考えたからです。
実際、まだ数日しか調整はしていませんでしたが、すでにかなりの発見がありました。2台の違いも見えてきてなかなか面白いところです。

引き続きいろいろ見ていきたいと思います。

2023年11月15日水曜日

東日本地区大会2023

すでに3日ほど経っていますが東日本地区大会に参加してきました。会場は東京工芸大学厚木キャンパス。運営の先生が訳あって来られないなどのことがある中、懇親会含めスムーズに運営していただいた工芸大の学生の皆さんはじめ運営の方々には本当に感謝です。いつも楽しい大会をありがとうございます。

先に結果から。マイクロマウス競技で優勝することができました。



先週の段階では最短走行が走らない状態でしたが、なんとなくスパッと走りそうな雰囲気があるという感覚は正しかったらしく、その後もう1つ重要なミスに気づき直したことで走れるように。火曜日に吸引での走行を解禁し、調整した状態で試走会へ。

試走会でははじめ探索が訳わからないほどずれていて少し焦りましたがタイヤ径がずれているという初歩的なミスでした。言い訳すると今年のマシンはバグ取り→パラメータ再調整の工程を何度か踏んでいるので、その過程で調整してたつもりがズレが残っていたようです。他には東北地区大会でセンサ値がずれうることを把握していたので、少し怪しそうだったところを微調整しました。最短走行はとりあえず走っていそうなので数回走らせて調整終了。

競技の方は今回も新作と旧作の2台エントリー。迷路はこちら
新作の方は探索で壁に一度ぶつかる(なお想定内ではある)、2走目のデバッグ用のパラメータが何故か走らないなど怪しい点がありますが、3, 4走目で最適と思われる外を回るルートを走ることができて1.439を記録。この時点で暫定トップ。
旧作は学祭期間中に路面の状態によっては低いパラメータでも走れないことがあることがわかっていたりしますが特に問題はなかったようでそこそこのパラメータで走りました。

2位の方の走行を見ているときはあまり生きた心地がしませんでしたが、どうにか運良く3 ms差で逃げ切ることができ、優勝となりました。

マイクロマウス系の競技で優勝するのは、今回が初めてになります。私が初めて参加したマイクロマウスの大会は2015年(当時:中学2年生)の東日本地区大会でした。当時はステッピングモーターを回すのがやっとの状態で参加したわけですが、他の方のマウスを見て非常に刺激を受けた(というより、ワクワクした)ことをよく覚えています。それからだいぶ経って初めて優勝できたということで、東日本地区大会には何か縁があるのかもしれません。

ただ今回タイムとしては良い結果を残すことができましたが、探索も吸引の走行もまだまだわかっていないことや問題を抱えているのは事実なので、引き続き色々と検証していく必要がありそうです。次は学生大会で皆様お会いしましょう。

P.S. ところで、入賞者の景品はマイクロマウス→クラシックマウス→ロボトレースの順で上位者順に好きなものを2つということで、運良く本当に好きな景品を2つ選ぶことができたので、以下の2つを選びました。


このブログを読んでいる人なら、何を意味するかはもう分かりますよね…。

2023年11月4日土曜日

中部地区大会

には出ていません。学祭があった(る)ので。

たまには生存報告をします。一応マウスは進めるには進めていて
・経路導出を書き直して実装。数年来の記述ミスが見つかったりする。多分治った。
・光学式エンコーダ周りの扱いが少し上手になり、前よりは安定性向上
・吸引モータφ4→φ6に変更。ちゃんと所望の吸引力は出るようになる。
・センサの補正を改良して実装。

みたいな感じでは進めたものの、
・なにかバグを抱えているらしくときより最短走行中に時よりIMUの値がおかしくなる
・吸引するとIMUにまあまあ嫌な感じにノイズが乗る

などの問題がまだあり、最短走行がかなり苦しい状況。IMU周りが色々怪しいのですが、とりあえず前者はどうやらハードではなくソフトウェア的に何かを抱えていそう...?なところまではわかっていますが、まだちょっとわかっていません。あと吸引走行はまだ全然実験段階で実用まではいけておらず。

走るときはスパッと走りそうな雰囲気もなくはないですがまだ走り込みが足りておらずつかめていないところが多いという印象でしょうか。引き続き試行錯誤していきたいと思います。

2023年10月9日月曜日

東北地区大会2023

東北地区大会に初めて参加してきました。新幹線からフラワー長井線に乗ってはるばる参戦。10月の東北ということで気温を心配していましたが天気もよく過ごしやすかったように思います。




今回は旧作Entrance_v2と新作Lightningの2台エントリー。
試走させてみたところ、まず迷路と天井が近く、照明が明るい(というよりちょっと特徴的?)ためかセンサ値が大きめに出てそうといった印象。また、路面のヤスリがけが相当丁寧なのか、凹凸が殆どないような感じでした。僕のマシン的には路面はむしろ走りやすそうにしていますがセンサ値は久しぶりに影響を受ける程度にずれていたので、新作のみセンサ値を多少調整しました。普段あんまり試走会でパラメータはいじらないので、ちょっと珍しいケースですかね。

試走会後は前夜祭ということで豪華なビュッフェ形式で交流。非常に楽しい夜でした。
終了後は偶然関西のGさんと同じ宿だったのでともに宿へ。宿も女将さんが親切な方で非常に快適に過ごすことが出来ました。朝ご飯も美味しかったです(山形はご飯が美味しいからか何故か食欲が湧いて普段朝食を食べない私がご飯をお変わりしてしまいました笑)。

ということで大会へ。東北地区大会はクラシックフレッシュマン→クラシックエキスパート→マイクロマウス(旧ハーフ)の順での競技。
フレッシュマンの方では後輩が出ていましたが横壁センサがトラブルにあったようで惜しくもタイムオーバー。本人も悔しそうにしていましたが、本番の緊張感やどの程度どこは抑えておかなくてはいけないのかといった感覚は経験によって積まれていく部分が大きいので、きっと次に活かしてくれるでしょう。
エキスパートの方は見覚えのあるヒートシンク迷路。袋小路が多いので探索に時間を取られすぎないようにしたいところと、細かなターンが続く最短経路がポイントだったような印象です。

そしてマイクロマウス競技。開幕ターンと二重混合壁が特徴的な迷路。


旧作の方はセンサ値のズレのせいか全面探索に失敗。地味にv2が探索でコケるのは初めて。一方で最短走行は調子が良く裏パラメータまで走りきりました。5走Rなしも地味に初めてな気がします。
新作の方は最短走行はそもそも実装している余裕がなく探索走行のみでしたが、ひとまず大きなミスをすることなく全面探索を成功させることは出来ました。

競技後の懇親会では美味しいと噂だった芋煮をいただいたりビンゴ大会で盛り上がったりと最後までとても楽しい大会でした。長井市の皆さんはじめ東北地区の人々のエネルギーを肌で体感できてまたぜひ行きたいと思う大会でした。運営、会場の皆さんありがとうございました。

自分の結果としては旧作で競技者順4位(機体順6位)で、特に何もないと思っていましたがRT賞(特別賞)をいただきました。旧作での受賞である以上、学生としてこれからも頑張ってね賞(頑張ったで賞ではない)であることはうすうすわかっていましたが、表彰式後に今回審査員側にいらっしゃったHさんからも念を押されてしまったので、次回の東日本では新作を活躍させられるように邁進したいと思います。常にアップグレードを続ける今の上位陣を追いかけるのは相当に長い道のりですが、知識と経験からアイデアを振り絞って、時間をかけて検証と調整を重ねていくのみ。


P.S ところでやたらと大きいRT賞の副賞は何だったのだろうと思い帰ってから開けてみたところ、缶ジュース20本でした(景品も豪華と聞いていましたが、色々スケールが大きいですね笑)。


2023年10月1日日曜日

今年のマシンは難しい

昨日はアールティの迷路開放にお邪魔してきました。とりあえず32区画があったので(クラシックのフル迷路とも言う)、そこで見ておきたい項目は確認。それ以上に昨日は色々とお話できたことが良かったです。私も頑張っていかなくてはと思いました。

本日も調整し、とりあえず探索は走るようになりました...が、状況としてはいまいちなところです。今年のマシンはまだ素の走行の再現性がよろしくなく、今のところは壁センサによる補正でどうにかごまかしている状況です。とくに短距離進むのがかなり不安定。なんとなく原因はわかりつつありますが、もう少し色々と検証する必要がありそうです。

2023年9月25日月曜日

夏休みが終わらないでほしい

タイトルはうまいまとめが見つからなかっただけで特に意味はありません。

ときどき色々と割り込みがありつつもマウスは進めています。

・クラシック
作る作る詐欺をそろそろ疑われそうなクラシックですが、そろそろ作らないとまずいので、とりあえず土曜の午後から機械設計を開始し今日の早朝にAWまで完了して基板発注まで行いました。勢いで作ったのでやたら配線がスカスカな箇所と密な箇所がある感じになりましたが気にしないことにします。ハーフになれてるとAWはだいぶ余裕がありますね。

・ハーフ
記憶が正しければ、光学式エンコーダはだいたい実用できそうな感じになってきたと思います。吸引機構とかも少しテストしてみましたが、問題はそれだけではないにせよとりあえずφ4モータだとトルクがいまいち足りないという印象。なお本当の問題は、こんなことを書いていますがまだモーション単体のテストくらいしか出来ておらず迷路を走っていないことですね。

週末にアールティの迷路開放にお邪魔したいので、そこまでに迷路を動いているようにLightningのソフトウェアに時間を割いてあげたいところです。

2023年9月12日火曜日

金沢草の根大会2023

実に5年ぶりにマイクロマウス金沢草の根大会に参加してきました。



草の根大会は大会会場と宿泊施設が同じ国際工専で行われる合宿形式の大会です。懇親会などマウサーの皆さんと交流する時間が長かったので、いろいろとお話しできて非常に良い時間を過ごすことが出来ました。やはり私はマイクロマウスが好きなんだなと再実感。

今回は運営の方々の協力もあって夜通し開発してもよいように試走部屋がオープンになっており、精神と時の部屋が展開されておりました。夏休みですしマウスはまだ迷路を走れていなく寝る理由はなかったので、しっかり完徹して開発を進めました。やはりみんなでやる開発は楽しいですね。

で、進めたわけですがやはり間に合ってはいないわけで、競技結果は1区画だけ進んでリタイアでした。とりあえず徹夜した結果予想通り光学式エンコーダを一工夫しなくてはいけないことまではつかめたので、これから手元にあるアイデアを試していこうと思います。

競技としてはロボトレースの競争が激化していたり(素人目線ですが、だいぶ速度レンジやショートカットアルゴリズムのレベルが上がっているように感じました)、マイクロマウスはいつも通り魔境だったり、クラシックマウスはMice勢がちゃんとDCマウスをものにしていたり、見どころ満載でした。
…やはり皆さんのマシンが動いている中で自分のが動いていないのは結構悔しいわけで、次回の東北地区大会までには、Lightningをきちんと動かすという強い意志で頑張りたいと思います。

最後に、今回大会を運営してくださった皆さん、そして駅から会場まで運転してくださったぱわぷろ先輩やmallocさん本当にありがとうございました。

2023年9月8日金曜日

はじめの一歩

やっとスタートセンサは切れるようになりました(苦笑)。

これまでのソースコードを文字通り1から書き直しているので、結構頑張ってはいますがこんなものですね。かなりコード自体は改善されている(前のがひどすぎるとも言う)ので進んではいるのですが、やはり時間がかかります。昔の自分のプログラム手強い...。読みにくすぎるというか、論理展開がいきあたりばったりすぎるというか...。

これから本格的に取り組んでいきますが今年からトライしている自作光学式エンコーダも少し触った感じ一筋縄では行かなそうという印象。

なかなか大変ですが、1つずつやっていくしかないですね。とりあえず、明日の持っていく荷物が1mmも出来てないので、準備しながらどうするか考えましょうか(笑)。

2023年9月3日日曜日

下準備

実はマウスはまだ動いていません(←ちょっとまずい)。

開発環境であったりソフトウェア設計だったりといったところに着手していました。とりあえず最低限足場は出来てきたので、これからようやっとマウスのソフト本体に入れそうといったところです。

草の根大会は開発合宿だと思っています。完走出来たら良いな。

2023年8月24日木曜日

Linux導入

先週は別件があって日曜日までは開発できず。

今週から再開。ここ3日ほどはタイトル通り、開発環境を新しくしていました。

これまではwindowsメインでlinuxは大学の授業で軽く仮想マシンで動かす程度だったのですが、バイト先でUbuntuを使うようになったのとゼミの課題とかやっているうちに不便だなと感じ始めたので、(ようやく)自分のPCもUbuntuをメイン使いにすることにしました。とりあえずCADとかでwindowsを使うこともあるのでdual boot。

今年からSTM32を採用したので、それに伴って開発環境構築。CubeIDEは重くて毎回立ち上げるのはイマイチなので、こちらこちらあたりを参考にしつつ、とりあえず新しい環境でLチカまでは出来ました。

書き込みはとりあえずCubeProgを使っていますが、パラメータ関連はROMに書き込む形を取れるようにしたいですね。

そんなわけでクラシックの進捗はなかったので、こっちのデビューは東北が目標になりました。
というかマイクロマウスの方もいつ走り出すのやら、当人もよくわかっていません(笑)。

2023年8月12日土曜日

書き込み基板発注など

書き込み用の基板を発注し忘れていたことに動作確認の時点で気づいた(というより、なくて困った)ので、本日基板を起こして発注しました。新作からマイコンをRX→STM32に変更したので、微妙に変わっていて前のがそのまま流用できなかったわけです。

そういえばこちらでは言っていなかった気がしますがマイコンはSTMicro社のUniversity Programという支援でいただいたものです。協力いただけて非常にありがたいです。

クラシックマウスの方は、Lightningがとりあえず形になったことで点と点がつながりようやっと構成は固まりました。機械設計に移りたいところですが、来週はマウス製作の時間をあまり確保できない…。金沢にクラシックをエントリーさせるかは、締切日の進捗状況次第で決めましょうかね。

2023年8月11日金曜日

2023マイクロマウス新作"Lightning" ハード完成

月曜の午後から基板のはんだ付けを始め、とりあえず回路の動作確認は完了したので公開。
今年のマイクロマウスの方の新作、"Lightning"です。


12.5gくらいと思っていましたが11.6gと思ったより軽いようです。スカート付けてなかったりバッテリーのコネクタが違ったりするので少し変わるかもですが、大体このくらいということで。
新規要素が多かったり、すでに若干設計ミスがあったりしますが、問題が起きたらその都度対処するスタンスで開発していきたいと思います。

今年の地区大会は金沢草の根、東北、東日本、学生に参加予定です。金沢までにある程度動いていてほしいですが、今年はクラシックも作る(と言ってしまった)ことをはじめほかにもいろいろとやりたいことはあったりするので、どうなることやら。

2023年8月6日日曜日

そろそろ動き出す

7月はおろか8月の第1週も終わってしまったようですが記憶がないですね。お久しぶりです。

…文字通り進捗なし。マウス合宿からマウス関連のことは本当に1mmもやっていません。

前回の記事を見てみると、新作をクラシックハーフともに草の根大会までに出すと書いてあります。そして今日からエントリーが始まりました。なるほど、きっとこれから完成するのでしょう。

学生の特権夏休みがこれからなので時間はあるはずですが、やることがかなり多いのは確か。集中力を維持できるかがポイントでしょうか。

2023年6月26日月曜日

マウス合宿2023

マウス合宿に参加。社会人マウサー含め、いろいろな方面の方と交流を深められて良かったです。マイクロマウスというコミュニティの良さを再実感しました。幹事のAさんはじめ、運営の皆さまありがとうございました。

今のところ私の最初の地区大会は金沢草の根大会の予定ですので、それまでにはマイクロマウス、クラシックマウスともに新作を出せるように開発していこうと思います。

2023年6月20日火曜日

お届け物



早く作れよと言わんばかりにお届け物が届いていました。ざっと寸法が間違ってなさそうなことは確認し、まあまあ良さそうな感じがします。多分。
注文は何も考えずにいつものElecrowですが最近はJLCPCBとか安くて流行ってそうなのでやや時代遅れかもですね(Elecrowで十分安いので乗り換えるの面倒くさい…)。

で、このとき何を寝ぼけているのかマウス合宿までにLチカしたいなどと言っていますがマイコンが変わっていたりそもそも時間の確保が厳しいのでとりあえず基板だけ持っていって煽られてこうとおもいます。

2023年6月13日火曜日

発注完了

マイクロマウスの方は配線が完了したので先ほど基板を発注しました。機械部品も含め何か忘れていなければこれで発注関連は完了したと思います。隙間時間で進めたので何か忘れているかもですが、気づいたときに考えることにしましょう。

クラシックの構想も少しずつ具体的にしたいところですが、ちょっとまだ厳しいですね…。

2023年6月1日木曜日

近況2

気づいたら6月になっている。そんなもんといえばそんなもんな気もしますが。

マウスの方はやっとこ配線に入り始めたくらい。新要素もいろいろあるのでマウス合宿でLチカくらいが目標ですかね。

2023年4月24日月曜日

近況

全日本大会から2ヶ月経ってたみたいですね。色々と変化があってバタバタしており全然更新して無いですがそれなりに元気にやってます。

マウスの方は少しずつ進めています。マイクロマウスの方はとりあえず機械設計まで。クラシックはまだ部品選定の段階…。あれ進捗少なくない?
とりあえずマウス合宿には申し込んだので、そこまでに多少でも進展していたいところですが、どうなることやら。

2023年2月23日木曜日

マイクロマウス2022終了

全日本大会に参加してきました。今年も白熱した楽しい大会でした。

では、結果から。

マイクロマウス競技ファイナル 17.742 第6位, ベストマウサー受賞


前回の大会は学生大会だったわけですが、その時点で32×32を走り切れるだけの安定性はなかったので、今回は主に安定性向上、具体的にはセンサでの補正をメインテーマとしてアップデートを行った状態で全日本大会に挑む形となりました。
今シーズンは地区大会の様子を見ていれば分かりますが非常に速いマシンが多く、ファイナルも後半の10台は私のマシン以外は吸引マウスであり、走行性能的にはとても及ばないと考えていました。しかし、迷路が探索、最短共にかなりの距離を走り回らされるものであり、ほかの方のマシンの不調もあって運良く6位に入賞することができました。
また、試走会で32×32を実際に走らせることができたことで埃に対して使えるパラメータの見当がつき、パラメータを落とすことで、(ほぼ)全面探索→オートスタートの流れを成功させることができ、ベストマウサーを受賞しました。安定性の向上を目指すにあたって、32×32のオートスタート成功を今回のひそかな目標としていたので、実現することができてよかったと思います。

今回の全日本大会は例年とは異なり2月の実施、大学ではない場所を借りてという形でしたが、非常にスムーズな運営で試走会含めて大会に集中することができたと思います。工芸大のスタッフの皆さんをはじめ開催に携わっていただいた方々、いつも本当にありがとうございます。

さて、今後ですが、Entranceは今回で引退です。荒削りな部分もありますが、最終的に全日本大会での初入賞という素晴らしいフィナーレを迎えることができました。まだ改善できる点がないわけではないですが、やりたいことができたという手応えがあるのと、これより上を目指していくにはハードウェアをアップグレードするのはマストなので、いよいよ記録を狙っていく新作を作ります。
2022年度の大会全体を通して上位の方の走りを見させてもらう機会があって感じていることとしては、やはり速度以上に次元が違うということがあります。パラメータやタイムはわかりやすいので注目されがちですが、そういったところには一見表れない部分での詰めがまだまだ自分のマウスとはレベルが違うなと、特にシーズン後半になるにつれ実感しました。一朝一夕で追いつけるようなものではないことはよくわかっているので、引き続き1つ1つブラッシュアップしていくという方針でいます。

お疲れさまでした。マイクロマウス2023に向けて頑張っていきましょう。

2023年2月18日土曜日

試走会

本日は試走会。32×32迷路で調整できる貴重な機会です。

マシンの様子ですが、懸念であったバッテリーは何とかなりそうですが埃がたまると苦しいといった印象。ところどころパラメータを抑えめに変更、調整が必要だったので終わったあとは大学に行って一部調整、とりあえずやりたいところは調整完了。色々気付く点があって良かったと思います。

それでは、また明日。

2023年2月11日土曜日

故障→復活を経て

春休みという特権を活用してじっくりと調整。

これまでの経過ですが、新しい補正を実装したところバグを生んでしまい、おそらく2.5m/sくらいで盛大に壁に衝突→センサLEDが破損する、という交通事故がありましたが交換して復活。新たな補正がいくつか増えて安定性が上がったように思います。

分かってきたこととして思ったよりバッテリーが32×32だとギリギリということですが、あんまり今から劇的に改善できるものでもなさそう。多少省エネになるようにしましたが気休めですね。

32×32は経験値が乏しいので何とも言えないところも多いですが、おおむねやりたいことは出来てきたように思います。

残り1週間で漏れがないか最終確認をしていこうと思います。

2023年2月6日月曜日

32×32に向けて

全日本に向けて色々調整しています。

進捗状況としては、学生大会のときの課題であった斜め走行がだいぶ改善しました。ようやくといった感じですが。

しかしまだまだ考えないといけないことは多そうです。
とりあえず2輪非吸引機体なのでグリップが足りず、直進の加減速を上げると位置が狂いがちな模様。走れそうな雰囲気もあるので物にしたいですが、無理そうならパラメータを抑えるほかなさそうにも思います。
それとくしのはの構造が、いろんな意味で難しいですね…。まあ皆さん苦戦するトピックなので一筋縄ではいかなそうかなと。

引き続き調整していきたいと思います。

2023年1月30日月曜日

問題点を思い出す

ようやっと作業の方を再開しつつあります。

久しぶりに動かしてみると、最短走行が全然走りません。こんなものだっけと何回か走らせているうちに、なんとなく学生大会付近の調整の感触と記憶を思い出してきました。今抱えている問題点が何だったかを確認して本日は終了という感じ。期間が開いてしまうとまずは感覚を取り戻すのに時間がかかりますね。

全日本まで3週間もないのでとにかく怪しい動作を潰していかないと...。とにかく安定性向上を目標に詰めていきたいと思います。